離職は“予兆”で防げる ― 見えない組織リスクを可視化する時代へ

株式会社エアー マーケティング担当

離職問題の背景にある「職場の人間関係リスク」

近年、多くの企業にとって「採用」以上に深刻な経営課題となっているのが、人材の流出・離職の増加です。人手不足が常態化する中、ようやく採用できた人材が短期間で辞めてしまう、あるいは中核人材が突然退職してしまうといったケースは、もはや珍しいものではありません。離職が組織に与える影響は大きく、単なる欠員補充のコストだけでなく、ノウハウの流出、現場の士気低下、残された社員への負荷増大といった形で、組織全体に長期にわたって続くことも少なくありません。

その一方で、多くの企業では、なぜ辞めたのか、なぜ防げなかったのかという問いに、明確に答えられないまま、次の離職が繰り返されているのが実情です。

離職の主要因として、その背景には「職場の人間関係」や「職場環境へのストレス」が大きく関係しているケースが非常に多いことがわかっています。厚生労働省が公表した令和5年度の調査では、過去3年間でハラスメントを受けたと回答した労働者は、パワハラで19.3%、顧客からの迷惑行為(カスハラ)で10.8%、セクハラで6.3%に上りました。※1また、メンタルヘルス不調による労災認定件数は過去最高水準で推移しており、原因としてパワハラが最多となっているなど※2、その背景要因の多くに職場での人間関係や心理的負荷が関係していることが指摘されています。

※弊サイトで紹介したハラスメント事例一覧

■「早期発見」の重要性と「グレーゾーン」の課題

重要なのは、「実際に表面化しているものは氷山の一角に過ぎない」という点です。退職者や休職者が増えてから、あるいは訴訟・告発が起きて初めて、「実は職場の人間関係がかなり悪化していた」と気づく――こうした事例は決して珍しくありません。実際に、ハラスメント被害者の約4割が「被害を受けても何もしなかった」と回答しています。※1

また、近年の企業の対策強化によって、明確な暴言や暴力といった“分かりやすいハラスメント”の報告件数は減少傾向にある一方で※1、「ちょっとした言葉遣い」「過度に仕事を振られる」「相談しても取り合ってもらえない」といったグレーゾーンの人間関係トラブルはむしろ増えているとも言われています。一つひとつは小さな違和感に見えても、放置されることで不信感や孤立感が蓄積し、ある日突然、休職や離職という形で一気に噴き出すリスクをはらんでいます。だからこそ、問題が大きくなる前の段階で兆候を捉える、早期発見の視点がこれまで以上に重要になっているのです。

■従来の対策の限界と、AIによる新しいアプローチ

これを受けて、多くの企業では年に1,2回のサーベイや定期面談といった形で、従業員の状態を把握しようとしています。しかし、「本音が書かれない」「実施頻度が低く変化に気づけない」「問題が起きた後の確認になりがち」といった限界もあります。特に、本人が我慢してしまうタイプの場合、データ上は“問題なし”のまま、状況だけが静かに悪化していくことも少なくありません。そこで注目されているのが、AIを活用した感情分析による継続的な兆候検知です。

WISE Emotional Insightは、従業員のメールやチャットといった日々のコミュニケーションデータをディープラーニングベースのAIで分析し、“心の揺れ”や感情の変化から組織リスクを可視化するソリューションです。従来のキーワードベースの分析では捉えにくい、微細な心理状態の変化や関係性の悪化を捉えることで、離職や不正の兆候を早期に把握し、問題が顕在化する前に対応できます。

具体的には、

  • 上司と部下など双方向の関係性の変化を時系列で可視化
  • 感情の“揺れ”をスコア化し、離職リスクや不安兆候をチャートやアイコンで視覚化
  • 心理的負荷の蓄積や人間関係の歪みを、従来のアンケートでは見えにくい段階で捉える

といった機能を備えており、日々の言動から兆候を捉えることが可能です。

■まとめ|「辞めてから気づく組織」から「辞める前に守る組織」へ

ここまで見てきた通り、近年の離職問題は早期発見の重要性が認識されつつも、多くの企業で見過ごされているのが現状です。退職者や求職者が増えて初めて、「実は職場の人間関係が悪化していた」「もっと早く気づけたはずだった」と振り返ることになります。しかし実際には、その兆候は日々のコミュニケーションの中に、確実に現れています。
だからこそこれからの組織には、問題が起きてから対応するのではなく、問題が起きる前に兆候を捉え、手を打つ仕組みが求められています。

大切な人材を失ってから後悔する組織であり続けるのか。それとも、離職やハラスメントを未然に防ぐ組織へと変わるのか。
今こそ、職場の「見えないリスク」と本気で向き合い、予防型の組織づくりに取り組んでみませんか?

※1 厚生労働省「令和5年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000165756.html
※2 厚生労働省「令和6年度「過労死等の労災補償状況」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59039.html

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