「転送サービス」の落とし穴

株式会社エアー 営業担当

引っ越しをしたとき、郵便局の「転居・転送サービス」を利用したことがある人は多いのではないでしょうか。これは郵便局に転居届を出すことで、旧住所に届いた郵便物を1年間、無料で新住所に転送してくれる便利な仕組みです。筆者は最近、30年以上住んだ町から別の町に引っ越したのですが、この転送サービスのおかげで、転居のお知らせを送り忘れていた知人の存在や、公共サービスなどの住所変更手続きの漏れなどに気づくことができ、大変助かりました。手間やコストを考えると、無料で提供されていることに感謝しかないです。

さて、電子メールのサービスにも、たいていは自動転送の機能が備わっています。たとえば個人のメールアドレスを変更したいと思った場合、一定の期間、変更前のアドレスから変更後のアドレスに転送されるようにしておけば、その間にメールアドレスの変更を行うなどができます。これも個人で利用する範囲では便利なサービスです。コストもかかりません。

しかし、企業でやりとりするメールや、従業員のメールアドレスでは、この転送サービスを安易に使うことはできません。軽い気持ちで「転送設定」をしてしまうと、思わぬセキュリティリスクを招くことになります。

まず、在籍中の社員が「退勤後も業務メールを確認できるように」と考え、個人のGmailなどに自動転送を設定したとします。これは、機密情報の漏洩や、コンプライアンス違反などの重大な問題を引き起こす可能性があります。

特に個人のメールアカウントは、企業のセキュリティ対策ほど強固ではないことが多く、万が一、個人アカウントがハッキングされた場合、転送された業務メールの内容が外部に漏洩する危険性があります。

そしてもう一つ気をつけなければならないのは、退職者のメールアドレスの取り扱いです。従業員が退職した際、多くの場合、すぐにアドレスを削除するのではなく、一定期間、社内の後任者への転送などを設定すると思われます。そのため、退職者のメールアドレスをしばらく有効にしておく必要があります。

この暫定的な有効期間の間にもし、退職者が自分のアドレスへのアクセス権を持っていて、勝手に転送設定をされるなどがあれば、そこから機密情報の漏洩等の問題が発生する可能性があります。

また、誤って転送してはならない外部の宛先へ転送設定をしてしまい、それにしばらく気づかなかったとなれば、その間情報が漏れ続けるといったことにもなりかねません。

企業は、安易なメール転送設定を避け、適切な情報管理のルールを整備することが重要です。在職者の安易な転送設定、退職者のメールアドレスの取り扱いには要注意です。問題が発生した際に払う代償は少なくありません。メール転送の設定には細心の注意を払いましょう。

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