大手電力4社のカルテルを振り返る

2021年から2022年に報道されたカルテルに関する記事を振り返ると大手電力会社によるカルテルの話題が多く見られます。本コラムでは電力会社でカルテルの疑いが持たれてから処分案が通知されるまでを時系列順に追っていきます。
なお、電力会社に限らずこれまでの独禁法やカルテル、入札談合の記事はこちらにまとめています。

電力会社のカルテル記事(過去に本サイトで紹介した記事より抜粋)
記事公開日 概要 紹介先ページ
2021/4/14 関西電力社など計4社に独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査が行われました。 関電・中部電・中国電、カルテル疑い 自由化でシェア低下に焦り(日本経済新聞)
2021/7/13 中国電力社、九州電力社など計4社に立ち入り検査が行われました。 公取委、九州電力など4社に立ち入り 顧客獲得でカルテル疑い(毎日新聞)
2021/10/5 中部電力社など計3社に立ち入り検査が行われました。 エネルギー業界(中部電力社など)でカルテルの疑い
2022/11/26 各社の役員級がトップダウンで営業活動の「不可侵」協定を結んでいたことが分かりました。 インフラ業界(関西電力、九州電力、中部電力、中国電力)で起きたカルテル
2022/12/1 独占禁止法違反(不当な取引制限)で、大手電力3社などに課徴金納付を命じる処分案が通知されたことが分かりました。 インフラ業界(関西電力、九州電力、中部電力、中国電力)で起きたカルテル、課徴金は計1000億円
2022/12/16 違反を自主申告して課徴金の減免を受ける「リーニエンシー」制度で課徴金を全額免除された企業があることが分かりました。 インフラ業界(関西電力、九州電力、中部電力、中国電力)で起きたカルテルの「申告制」とは

以上が電力会社によるカルテル関連の主な報道です。最初の報道から徐々に調査が進み、一年近くをかけて情報が公表されていったことがわかります。また、他の報道と比べるとここまで長期にわたって多数報道されることは珍しく、注目度の高さとインシデントの規模の大きさが窺えます。

さて、これらの記事を見る視点を少し変えると独占禁止法の「不当な取引制限」とは何を指すのか、リーニエンシー制度とは何か、どう適用されるのかなど企業活動に関する法制度を理解するための実例として参考にすることができるのではないでしょうか。こういったニュースは対岸の火事として見てしまいがちですが、法制度を改めて理解する機会と捉えることで、リスクを正しく捉え直した上で有事の備えやガバナンスを見直すきっかけにもなります。

株式会社エアーでは、カルテル、品質不正、情報持ち出しなど、様々ある企業リスクに対し有事だけでなく平時からメールで監査するソリューションを提案しています。
また、メールだけでなくチャットなどを含むコミュニケーションツールの監査を啓蒙するコンソーシアムの事務局としての活動や、その他にも AIを活用したメール監査への取組みなど、監査対象や手法の探索やアップデートを重ねています。

平時の段階から備えておくこと、モニタリングしておくことで防ぐことができるインシデントもあると私たちは考えています。まずはお気軽に日頃の情報交換としてお声がけください。